業務用食品容器の素材は多様化していますが、そのぶん用途に合わせた素材を選ぶことは重要になっています。環境負荷の観点から注目されている紙製の場合は長期保存に適していなかったり、一見利便性の高いプラスチック製も電子レンジ不可の場合があったりします。このように業務用食品容器はその長所と短所を勘案して最適なものを選ばなければなりませんが、特に注意すべきは発泡スチロール製です。発泡スチロールは断熱性が高く保温効果も高いので、温かい物や冷たい物を長くその温度に保てる一方、手にする側は安全な温度で容器を持つことができます。
しかし、電子レンジでの再加熱ができないことから、提供後すぐに消費されないお弁当やお惣菜には向いていません。発泡スチロール製の業務用食品容器は再加熱に適していませんが、使い切り食器として屋外イベントでの提供に利用したり、すぐに食べること前提としているラーメンなどの温かい料理をテイクアウトする場合は最適の素材といえます。また、温度が上昇することで品質が劣化してしまうお寿司などの生ものを急激な温度変化から守る素材でもあるので、加熱しない食品にも適しています。ただし、発泡スチロールは柑橘類の皮に含まれるリモネンという成分によって溶けてしまう性質があるので、皮付きのオレンジやグレープフルーツを入れるのには向いていません。
業務用食品容器は品物が消費されるまでの時間や再加熱の有無を考え、適切な素材を選びましょう。